昨日(3月18日)、安謝老人憩の家の「60歳からはじめる自然観察会」の手伝いで南部の観察ツアーに同行しました。
60歳からはじめる自然観察会は、今年度から始まった老人憩の家の企画で、今回で3回目です。1、2回は夜の末吉公園、朝の末吉公園がテーマでみんみんを利用して行われています。
今回は、直接のみんみんの利用ではなかったのですが、みんみんを集合場所にして、みんみんのピロティーで本島南部の森の特徴について簡単にレクチャーしてから出発しました。
みんみんからバスの待つ公園駐車場に抜ける道すがらから、もうすでに観察会が始まっています。
遊歩道沿いにはククイ、カエンボク、トックリキワタ、タイトウウルシ、クロトン・・・。 森の中でも、外来種の多い場所です。
バスに乗って、まず、最初に訪れたのは、南城市知念のカフェくるくまです。
カフェの裏庭の絶景ポイントで、断崖とイノーの広がる景色を眺めながら、琉球石灰岩の起源、南部の地形の特徴をレクチャーしました。
イノーの広がる海をバックに記念撮影
お昼は、ユインチホテル猿人の湯でいただきました。
佐敷の湯から猿人の湯になって、ずいぶん雰囲気が変わっていました。(゚д゚)!
お昼の後は、石灰岩地のどんぐりアマミアラカシが自生する南城市の玉城運動公園裏のやんばる森を見てから、八重瀬町の具志頭自然散策路に向かいました。
やんばる森は、石灰岩の斜面地に残された森です。 奥には、アマミアラカシやイスノキの大木の森がありますが、斜面が険しいので中には入りらず、外から森を観察しました。
てっぺんの樹高の高い木がアマミアラカシです。
具志頭自然散策路は、海岸線に平行に伸びる石灰岩提を跨ぐようにつくられています。 ここからが、自然観察会の本番です。
末吉公園の森と比較しながら散策しました。
石灰岩堤の森は、末吉公園と同じ石灰岩地の森です。ガジュマル、アコウ、ハマイヌビワといったイチジクの仲間をはじめ、ヤブニッケイ、クスノハガシワ、ゲッキツなどおなじみの樹木が見られます。 しかし、その一方で、末吉公園にはないトウツルモドキやあまり見ることがないサダソウ、サクララン、サルカケミカンなどが多いこと、末吉では林床に普通に見られるフウトウカズラが少ないことで、まったく違った雰囲気を醸し出しています。
いろいろな説明の後で、ガジュマルやアコウの根っこを見ると、今までとは違ったものに見えてきます。
自然散策路を抜けて具志頭浜に出ました。 浜の駐車場にバスが待っているのですが、ここでもしばらく自然観察を楽しみました。
トベラ、ハマボッス、シマアザミ、ハマダイコン、キダチハマグルマ、ツルナなどが花を咲かせていました。
この後、バスでみんみんの近くの儀保のバス停まで戻って解散しました。
この企画、60歳からはじめる自然観察会の講師を初回からやらせていただいているのですが、毎回、参加者の熱意に圧倒されます。
みんみんは子どもの施設なので普通に考えると年配者の観察会は目的外になるのですが、ものは考え方で、この人たちがお孫さんたちを自然に誘導する指導者になるのであれば、自然体験や環境教育の指導者育成という目的で、年配者の観察会をみんみんでできるかもしれません。熱意を生かさなければもったいないです。
(ふじい)