昨日は、旧暦3月3日で、浜下り(はまうり)の日でした。 浜下りは、女の人たちが、ごちそうを持ち寄り潮干狩りを楽しみながら、海水につかることで穢れを払うという沖縄版のひな祭り行事です。
自分は、女性ではないですが、南風原町のはえばるエコセンターのイベント講師として大嶺海岸で浜下り(干潟観察会)に参加しました。
公民館からバスで移動したのですが、天気も良く、絶好の浜下り日和でした。
砂浜から、海岸植生や波打ち際のようすを観察しながら、干潟に降りて行ったのですが、ミナミコメツキガニやリュウキュウコメツキガニの出迎えで、子どもたちの足は釘づけにされました。
もう少し先まで、移動しようと考えていた目論見はすぐに崩れましたが、一面砂団の砂浜を歩いたり、水際で濡れながら歩くだけでも子どもたちはとても楽しそうでした。
案内するのに精いっぱいで、写真を撮ることを忘れたことに気が付く頃には、時間が押していたので、空港の堤防わきの岩場に移動してアーサ(ヒトエグサ)採りをすることにしました。
センターの宮城さんが半斤袋を配ると、家族でアーサ採りが始まりました。 今夜はアーサ汁かな。
アーサ採りに飽きて砂遊びを始める子どももいました。これだけ自由に掘って、埋めて遊べる砂場は街中でなちょっとありません。どうも巨大ダム工事を行っているようでした。
子どもたちが石をつかんで岩をトントン叩いていたので、覗いてみるとオハグロガキを採っていました。
「とってもおいしいんだよ!」 殻を割ったオハグロガキから、小さな身をつまみ出した、食べることに夢中です。
しばらく見ていると、小さな女の子が「あげる」といって、砂のついた小さな身を差し出してくれました。くわっちーさびら。
ただ、水辺で走り回っている子どもたちもいましたが、楽しそうです。何をやっても楽しい。楽しいことがいっぱいですね。
あっという間に、帰りの時間が近づいて、みんな集合です。
センターの宮城さんが、みんな楽しかったねとふりかえりをしてくれましたが、
沖合を見ると空港拡張の埋め立て地が迫っていて、ずいぶん海が狭くなったなと感じてしまいました。
ふりかえりをした場所のすぐそばの堤防の上にはダンプカーがひっきりなしに走っていて。
身近な自然がなくなっている現実がそこにあります。
バスの待つ駐車場に向かう途中の砂浜で、最後列にいた一人の男の子がツノメガニを見つけたので、しばらく一緒に観察しました。
駐車場の近くのトイレでみんなが足を洗ったり、着替えたりしているときに、男の子が近づいてきて「今日初めて、ツノメガニを見れてすごくうれしかった」と、こっそり教えてくれました。
最後に、イッパー(イモと餅で作った団子)をみんなで食べて、バスで公民館に戻りました。
貴重な自然が日々失われる中、子どもたちが感動できる身近な自然をどうしたら残せるのかなと考えさせられた浜下りになりました。
それに、長靴をずっと履いていたから、穢れも払われていないはずです。
那覇市立森の家みんみんでは、身近な自然を案内する講師を派遣しています。 興味のある方は、098-882-3195(みんみん)までご連絡ください。
(ふじい)