こんにちは。
今日は外来の植物メリケントキンソウについてのレポートです。
先日、末吉公園で沖縄県内で急速に分布が拡大しているメリケントキンソウを見つけました
メリケントキンソウは、キク科イガトキンソウ属、南アメリカ原産の一年生植物です。
学名はSoliva sessilisといいます。
日本では1930年に和歌山県で初めて確認されました。
現在、関東以南から九州、屋久島、沖縄など、温かい地域で急速に分布を拡大しているようです。
特定外来生物法による特定外来生物や要注意外来生物の指定はありませんが、
一部の都道府県では、緊急対策種や、県のブラックリストなどに掲載されています。
メリケントキンソウの外観について、葉は「ニンジンの葉」に似ています。
葉の形は長楕円形で互生(ごせい、茎に対して葉が互い違いに付く)、全体的に軟毛が密生します。
▲メリケントキンソウ(4月23日 那覇市末吉公園にて撮影)
沖縄県での生活サイクルについて資料が少ないのですが、
末吉公園では4月下旬に真ん中にトゲトゲの実の若い実(痩果(そうか))をつけていました。
(写真の真ん中です。見えますか?)
▲メリケントキンソウの実(中央)
メリケントキンソウの駆除が必要な理由として、次のことが指摘されています。
①実のトゲが人や動物(ペット)に刺さり、傷つけるため
②公園や学校などの草地に生えたままにしておくと、子どもがケガをしたり、裸足で遊べなくなるため
③繫殖力が旺盛なので広がりやすく、他の在来植物が生えにくくなるため
④トゲ(種)が人や車のタイヤ、ペットなどについて運ばれ、運ばれた先でも人的被害や生態系への被害等を出すため
⑤農業への影響があるため
沖縄県は、自然度が高く、やんばる(本島北部)や石垣島西表島が世界自然遺産や国立公園に指定されています。
他地域に運ばせないことや、また、市民の利用の観点から考えても、早々に駆除・根絶した方が良さそうです。
現在、沖縄県で確認されている場所は、インターネットの情報などによると
〇那覇市 首里城公園、崇元寺公園
〇沖縄市 沖縄県総合運動公園(※公園管理事務所が駆除活動中)
〇読谷村 セーラの森、役場、渡慶次運動場 座喜味城址公園 等です。
〇北中城村:渡口みどり公園
〇うるま市:石川公園野球場
〇国頭村:ゆいゆい国頭(※ボランティア等により駆除活動中)、茅打ちバンタ、安波サキシマスオウノキ周辺
(分布情報は、樹木図鑑作家の林さんの確認情報を参考にさせて頂いています。)
もし皆さんのお近く、特にお庭や畑などで生えていたら、
分布拡散を防ぐためにも抜き取りや駆除をお願いします。
ちなみに駆除に際しては、草刈り機(ビーバー)は使わない方が良いそうです。(茎が散らばって芽が出てしまうため(鹿児島県HPより))
末吉公園では、今の時期、まだトゲトゲの実が出来上がっていないので、軍手をして手で抜き取りをしてみました。
ちょうど根本にトゲの実があるのですが、スコップを使うと、トゲが手に刺さらず、根っこごと採ることができます。
▲抜いたメリケントキンソウ
根っこはそれほど深くないのですが、浅い場所に広い面積で生えており、スコップを使わないと途中から切れやすいです。
取ったメリケントキンソウは、袋に入れて燃やすごみとして出すか、
種がまだついて無ければ、充分に乾燥させて枯らしてから土に返すなどの処分をしても良さそうようです。
▲メリケントキンソウの抜き取り後(まだ少しあります。)
ちなみに、抜き取り前はこんな感じです。
▲メリケントキンソウ(抜き取り前)
駆除活動の際の注意点は、
〇刈払い機を用いないこと(飛び散った茎から芽がでるため)、
〇トゲの実がついた後(県外では5月~6月に実がつく)は皮手袋などケガをしないように厚手の手袋をつけること、
〇靴底や衣服に種がついていないか確認すること(他の場所に種を運ばないようにするため)
などでしょうか。
他にも、「実や種をつける前に除去する」と作業もしやすく、
「靴底に注意していないか確認してください」など『注意喚起の看板を付ける』なども、
他地域への分布拡散のリスクも減って良さそうですね。
外来種メリケントキンソウの分布が広がらないよう、皆さまのご協力をお願いします。
(ひが)
(参考資料)
・鹿児島県ホームページ
・愛知県ホームページ
・神奈川県植物誌調査会ニュース第58号
・樹木図鑑作家 林将之さんのTwitter
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